1995年にオーストリアの電子音響レーベル[メゴ]から12インチ「インストゥルメント」でデビュー。ギターをコンピューターで加工し、再/脱構築した綿密なスタジオ・ワークで注目を集める。1997年のデビュー・アルバム『ホテル・パラレル』以降も順調にリリースを重ね、2001年に発表されたサード・アルバム『エンドレス・サマー』は電子音響/グリッチ・ミュージックの歴史を塗り替えた決定的な作品として各方面から絶賛され、電子音響の世界に全く新しい音の美学を打ち立てた。コンピューターで加工したアコースティック・ギターの音色と、温もりのあるグリッチ・ノイズを絶妙のバランスで編集/ブレンドして叙情感溢れるサウンドスケープはシーンに数多くのフォローを生み出し、"フェネス以降"と称される程多大な影響を及ぼした。デヴィッド・シルヴィアンや坂本龍一とのコラボレーション、YMOへの参加、ジム・オルーク、ピタことピーター・レーバーグとのトリオ、フェノバーグや、キース・ロウのエレクトロアコースティック・プロジェクト、MIMEOへの参加などのコラボレーションなども評価されている。2014年、『ベーチュ』を[エディションズ・メゴ]からリリースした。
アメリカ「ポスト・ロック」シーンの牽引者。
1969年シカゴ出身。10代後半にデレク・ベイリーと出会い、ギターの即興演奏を本格的に始める。その後、実験的要素の強い自身の作品を発表。ジョン・フェイヒイの作品をプロデュースする一方でガスター・デル・ソルやルース・ファーなど地元シカゴのバンドやプロジェクトに積極的に参加。「シカゴ音響系」と呼ばれるカテゴリーを確立する。また、小杉武久と共に マース・カニンガム舞踊団の音楽を担当するなど、現代音楽とポスト・ロックの橋渡し的な存在となる。1999年にはフォークやミニマル音楽などをミックスしたソロ・アルバム『ユリイカ』を発表、インディーズのリリースながら、日本でも数万枚を記録。近年ではソニック・ユースのメンバー兼音楽監督としても活動、より広範な支持を得る(2005年末に脱退)。2004年には「Wilco/Aghost is born」のプロデューサーとして、グラミー賞を受賞、本国でも現代アメリカ音楽シーンを代表するクリエイターとして、高く評価されている。また、日本文化への造詣が深く、近年は東京に活動拠点を置く。日本でのプロデュース・ワークとしては、くるり、カヒミ・カリィ、石橋英子など多数。坂田明、大友良英、山本精一、ボアダムスなどとの共同作業や、武満徹作品『コロナ東京リアリゼーション』(2006)など現代音楽に至る多彩な作品をリリースしている。映像作家とのコラボレーションも多くWerner Herzog、Olivier Assayas、青山真治、若松孝二などの監督作品のサウンドトラックを担当。新しい「知」の探求者としてオルタナティヴ、ポストロック、エクスペリメンタル・ポップ、映画音楽、フリー・ミュージック、ジャズ、アメリカーナ、現代音楽など様々なジャンルの極北を切り開く越境的活動を行ない「現代東京カルチャー」の先導者となりつつある。
(Photo by Ujin Matsuo)
クリスチャン・フェネスと ジム・オルーク、新たな音響の地平を切り拓いた両巨頭による、関西では初となる完全に二人でのDUOツアーが実現!
ノイズ/電子音響に叙情性を投影し、エレクトロニカの永遠の金字塔『エンドレス・サマー』を発表以来、他の追随を許さないFenneszことクリスチャン・フェネス。センチメンタルなギターの旋律を大々的にフィーチャーした優美で繊細なそのサウンドは 、電子音楽というジャンルを超えた世界的な脚光を浴び、ゼロ年代のシーンに多大なる影響を及ぼし、デイヴィッド・シルヴィアンや坂本龍一、YMO、大友良英からマイク・パットンにいたるまで、多岐に渡るアーティストとのコラボレート/ライヴの活躍も目覚ましい!
そして、実に13年半ぶりとなるヴォーカル・アルバム『Simple Songs』を今年リリース、この新たな歴史的名盤と共にFUJI ROCK FES'15への出演、『ジム・オルーク完全読本』の刊行など音楽ファンを驚喜させているジム・オルーク。シカゴ音響派のキーパーソンとして注目を集め、音楽史に残る傑作『Eureka』発表以降、Sonic Youthのメンバーとしての活動や、ウィルコのプロデュースでグラミー賞受賞など、現代アメリカ音楽シーンを代表するクリエーターとして揺るぎない地位を築き、ヨーロッパでも数々のアーティストをプロデュース。近年は東京を活動拠点に多面的なソロワーク、秀逸なプロデュースワークに他バンドへの参加、映画音楽にゆるがない実験性を披露した電子音楽の傑作群、石橋英子や前野健太とのコラボレーションなどなど、新しい「知」の探求者として「現代東京カルチャー」の先導者となっている。
この稀有な音楽的変革者である両雄が、9月に京都の地で相見えます。フェネスとジムといえばピーター・レーバーグ(PITA)を加えたトリオ・ユニット「フェノバーグ」が有名ですが、今回はフェネスと ジムが対峙し合う新たな形でのコラボレート、予測不能ゆえの至福の時間を是非体感して下さい!