1930年東京・神田生まれ。
映画や黎明期のテレビで音響制作に携わり音響デザイナーとしての地位を固める。日本初の国産アニメーション「鉄腕アトム」では新しい音響表現を作り出し後進に大きな影響を与えた。その後数々の「万博」、科学映画他幅広いジャンルで活動。
90年代より京都へ居を移し、音楽家レイ・ハラカミのアルバム「レッドカーブの思い出」では史上最高齢のリミキサーとして参加。
2010年には半生を描いたドキュメンタリー映画「アトムの足音が聞こえる」が公開された。2014年、大病を克服し京都・龍谷大学アバンティ響都ホール(現龍谷大学響都ホール校友会館)にて、大友良英氏、大口俊輔氏をゲストに迎えての“音の個展”『大野松雄「音の世界」』を開催。
以後、若い世代との交流を多く持ち、即興演奏等活発に活動。
またライフワークとして知的障がい者施設、社会福祉法人大木会もみじ・あざみ寮(滋賀県)に深く関わり、記録映画の制作から寮生による創作劇での音響制作など、公私を超えた関係は40年以上続いた。
東京国際アニメフェア2009にて「第5回功労賞」受賞。
2022年10月、福岡・博多での『サウンドデザインの歴史「オトのはじまりを紡ぐ展」』が最後のステージとなった。
2022年12月19日、最期まで現役を貫いたその生涯を閉じる。
更新日:2023/05/09