ベースレス・ベースミュージックを標榜する、PsycheとRastaを軸とした異系交配型ユニット。King Doggyman(Gt) God Monkey(Dr,Per)ともに京都地下音楽シーンの柱石であり、この土地の「これまで」と「これから」を体現する者である。
「犬」が発するは献身の心。飽くなき探究心は、一切の妥協を排し。三昧の境地に至る様は、まさに忠実なる音の僕。辿り着く果てはPsycheなる無限の世界。その純粋なる音像は、聴く者の脳裏にいつまでも共鳴し続ける。
「猿」が発するは慈愛の心。漂泊の楽人として、第三世界を渡り歩き。包括的な視点で捉えた知見は、彼をRastaへと導いた。喜怒哀楽、すべてを呑み込んだグルーヴは、聴く者の誰もを置き去りにせず、いつまでも傍らにあり続ける。
表裏一体、かつ、一心同体。彼らが表現する雄々しくも儚い、無常世界の投影のような音像は、相対的なものが絶対的であり得る、一つの証明である。そして、一隅を照らし続けるその生き様は、後進の者達への確かな灯。彼らの一挙手一投足、すべてに目が離せない。今後の奇行が楽しみな稀有なユニットである。
更新日:2020/10/26