ジャズの歴史において最も謎に包まれた思想を持つサン・ラーは、1940年代にシカゴでアーケストラと呼ばれる音楽集団を結成。その後、バンドリーダーとしてスウィング、バップ、スタンダード、即興演奏、ジャズ・ファンク、宇宙的なヴォーカル・チャント、演説など実験的要素を盛り込みその独創的な音楽でファンを魅了した。ピアニストであるサン・ラーは、ジャズ初期の手法からムーグを使った過激な感情的演奏まで、あらゆる奏法に精通しており、500枚にも及ぶアルバムを制作。太陽神ラーを意味するサン・ラーの創造する音の世界は、彼が1993年にこの世を去っても未だに強烈な印象を残している 。
ジェームス・ハラーは1990年代後半ニューヨーク近代美術館、アンソロジー・フイルム・アーカイヴ、アンディー・ウォーホル美術館などの世界で名高い美術館で作品を発表する等、入り込んだ叙事詩調なフイルム-ポエムを制作し続けている映画監督。その作品は非常に率直で明確な感覚で個人的に訴えてくる力が有る。彼は知覚認識の可能性を調べながら柔軟な観客に思想、夢、概念的な発想を親密な形で強く印象付ける事や、フイルム言語と個人的な視覚という固定した考えに果敢に挑戦しながら、常に観客に新しい映像経験を与える事を試みている。マーシャル・アレンの音楽への探究心とハーラーの映像への探究心が、太陽に導かれた出会い、1998年にマーシャルのライブミュージックにハラーのサイレントフィルムを組み合わせる共同プロジェクトがスタート。始まった。2人は17世紀の錬金術師の様な流れで作品を作り出す手法を見つけ出した。
【ミュージシャン/作曲家/アレンジャー/マルチ楽器演奏者:アルトサックス、フルート、クラリネット、オーボエ、コラ、パーカッション、EVI:エレクトロニック・バルブ・インストルメント、etc...】
1924年5月25日生まれ。ケンタッキー州ルイズウィル出身。
10才からクラリネットのレッスンを始め、18才の時にアメリカ合衆国第92歩兵部隊に入隊。40年代からミュージシャンとして活動を開始する。1950年代中盤、サン・ラと運命の出会いをし、サン・ラの弟子として1958年にサン・ラ・アーケストラに参加、以降40年以上にも渡りこの歴史的オーケストラの強者揃いのリード部門を先導し、前衛サックスの即興演奏を看板ソリストとして開拓している。マーシャルはサン・ラと共に、1960年代前半に興ったアバンギャルド・ジャズ・ムーブメントの代表的人物であり、全ての前衛サックス奏者に多大な影響を与えた。また、200以上のサン・ラの作品に参加しながらも、NRBQ、ソニックユース、ディゲイブル・プラネッツ、テリー・アダムス、メデスキー・マーティン・アンド・ウッド、そして日本が世界に誇る渋さ知らズオーケストラなどの様々なジャンルのミュージシャンと活動し、ゲストソリストとして、コンサートやレコーディングに参加している。1995年以降は、師であるサン・ラを引継ぎサン・ラ・アーケストラの舵取りも担い、ジャズ/アヴァン・ミュージックの歴史において最も異才を放つ存在であり、思想、哲学も含め、圧倒的な影響力を持つサン・ラ・アーケストラをさらに進化させている。
R.E.マホニーはフィラデルフィア周辺の音楽とメディアアート界を革新するムーブメントを起こす存在である。数多くのライブパフォーマンスやCD、DVDを含むビデオアート作品を制作し、1990年代前半インディーロックシーンの勃興期に、その中心的な存在となったバンド「RECLINER」に参加し2枚のアルバムをリリース。2002年、マホニーは実験的/個人的映画、即興音楽、そしてアバンギャルド芸術への深い傾倒に導かれて、マーシャル・アレンとジェームス・ハラーのコラボレーション作品へ出会い、二人の芸術活動に参加する。現在、自宅レコーディングスタジオで自身のバンド「BROTHER EYE」の新作アルバム制作中。
ボアダムスを始めとして、Rovo、想い出波止場、羅針盤、他、もはやカウント不可能な程多数のユニットで、あらゆる音楽ジャンルを溶解させ、深化させ、化学反応させるがごとく活躍する、日本を代表する異才ギタリスト。その圧倒的な才能、異能ぶりはあらゆる形容詞をもってしても形容不可能。
http://www.alex-kerr.com/
1952年アメリカ生まれ。東洋文化研究家。12歳の時、海軍の弁護士だった父に連れられ初来日。横浜に2年間住んだ後に帰国。エール大学で日本学を専攻する。19歳のときヒッチハイクで日本一周の旅を敢行。その時出会った徳島県祖谷(いや)の茅葺き屋根の家 に魅かれ、慶應義塾大学に通いながら、古い家屋を修復する。日本の文化を愛し、深く愛するが故、現代日本の誤りを鋭く指摘し、数々の著作を発表。『美しき日本の残像』(朝日文庫)で新潮学芸賞受賞。現代日本の暗部を暴いた『犬と鬼』(講談社)は「過去10年で最も重要な日本論」として話題を呼んだ。
http://www.terra.dti.ne.jp/~salam/top.html
群馬県高崎市出身、東京都世田谷区在住。1967年2月12日生。明治大学政経学部経済学科卒業。音楽ソフト販売店、フランス留学、2年半のバックパック旅行、インディーズ系レコード会社、クラブ運営会社勤務を経て、現在は日本で唯一の「よろずエキゾ風物ライター」として活躍中。「エキゾ」とは「ココでないドコか」そんな何処かへ連れて行ってくれる音楽や料理や風物を求めてあっちこっちにフラフラ。趣味が高じて色々な仕事に繋がるが、最近はなぜかエキゾ音楽のDJをしたり、お宝ビデオの上映会を開いたり、ラジオに出たり、講演会やったり、仏語や英語の翻訳したり、出張シェフしたり、出来ることは何でもやってるような......人生そのものが「よろずエキゾ」になってきた39歳です。
1972年生まれ、大阪市在住。同志社大学文学部哲学及び倫理学専攻卒業。大学在学中から京都の『カイトランド』の音楽ページ編集に携わり、卒業後は関西の情報誌『エルマガジン』『トーキンロック』編集部に在籍。6年半ほど勤務した後、02年秋からはフリーの音楽ライターとして現在に至る。主な執筆媒体は『ミュージックマガジン』『STUDIO VOICE』『ラティーナ』『ぴあ』『エルマガジン』『HMV the music master』など。関西アンダーグラウンドからワールド・ミュージックまで、守備範囲は“音楽”と呼ばれるものすべて。大阪・北新地のCLUB Karmaにて毎月第4or最終月曜日開催の「サンローラン」(入場無料)でも、DJ LARD名義で地味に活動中。
踊る瞑想音楽
メルジャン・デデはスーフィー(イスラム神秘主義)の宗教音楽家であると同時にエレクトロニック音楽のプロデューサー/DJでもある。少年時にイスタンブールの町角で聞いたスーフィーの葦笛ネイの音色に魅了され、スーフィーに入門し、大学時代に留学したカナダでエレクトロニック音楽に出会い、DJを始めたという。 デデとはトルコ語で老人を意味するため、トルコ人はメルジャン・ デデという名前から顎髭を生やした敬虔なイスラム教徒の老人の姿を連想するらしい。実際の彼は金髪の髪をツンツンに立てたパンキッシュな風貌なのだが....。先入観なしに音を聞いたら、そんな連想をするのも当然のように思える。ネイの穏やかな音色と息づかいは聞き手に深い呼吸を促し、心臓の鼓動音が隠し味のようにブレンドされたエレクトロニックなビートがゆったりとしたダンスへと誘う。 「踊る瞑想音楽」...僕は昨年夏、スイスのとある音楽フェスティバルで旋回舞踊の若い女性スーフィー僧を交えた彼のライヴを初めて観て、そんな言葉を思い浮かべた。祝初来日!
― サラーム 海上
文明揺籃の地、オリエント。
しかし「中東」ほど、イメージが画一的で、現実には多様な地域もない。
色々な香り、模様、声、そして表情。
長い間、イメージとしての中東は、西洋の想像物だった。
それを見直すときが来ている。
私たちから見れば、西洋よりも近い、西方の国々。
人なつっこく、実直で、驚くほど親日的な人たち。
「文明の衝突」なんて、戦争の口実でしかない。
人間同士、相手を尊重すれば、互いの言葉は響き合う。
音楽が生まれる。
世界のルーツが開かれる。
―昼間賢
朝それも目覚めがけにスーフィーの音楽を聴くことが多い。
ルーミ_やハーフィズの詩を朗誦するファティマ ヴァ_エズィ_・パリーサー、 ネイの音色が切ないメブラーナの旋回音楽、そしてヌスラット・ファテ・アリー・ハーン。
新しい日の始まりにそれらを選ぶことが多いのは、夜の夢に酔いしれた後 また出逢えるまばゆい光の現実に今日もむかう小さな覚悟にとてもふさわしいからである。
ラマダンの夜、とても楽しみです。
―UA
メルジャン・デデ
優しく怪しげなこのDJは、知的でおおらかなイスタンブールの ヴァイヴを、カナダのモントリオールから届けてくれる。
まさしく今、地球で起こっている音楽の組み替えの成功例を見せてくれるはずだ。
―久保田麻琴
往年の名選手にして、デンマークの名門CSCチームを率いるビャルネ・リース監督と、2006年のツール優勝最有力候補、イヴァン・バッソをはじめとする選手たちを中心に2004年のレースを追い、ライダー一人一人が最善を尽くすことをひたすら目指し、彼らが実現するとは夢にも思わなかった相乗効果を生み出すように特別な指導を行うビャルネ・リースが発す??るリーダーシップとビジョンを描き出す。
監督:トーマス・ギスラソン
出演:ビャルネ・リース、イヴァン・バッソ、カルロス・サストレ、 ミケーレ・バルトリ、ジェン・ホイクト、ボビー・ジュリック、 ヤコブ・ピール、ランス・アームストロング他
原題:OVERCOMING
2005/デンマーク/108分/VIDEO/16:9/ドルビー・デジタル・サラウンド
提供:J SPORTS、ポニーキャニオン
1963年生まれ、大阪在住。
お笑い歌手であり、レースやツーリングをこよなく愛するサイクリスト。そしてなにより、自他共に認める「親バカ自転車野郎」である。子どもたちの未来と地球環境のために、日本中の道路を自転車道にしようと目論む。月刊サイクルスポーツにて、「ブラッキーの親バカ相談室」好評連載中。
ブログ:「Blacky 超本格的親バカ派で行こう!」
<http://www.voiceblog.jp/blacky/>
京都の自転車ツーキニスト。自転車ブログ「Power's Cycle Diary(http://www.powerscyclediary.com/)」に参加。たまに「Cafe OPAL(http://www.cafeopal.com/)」にてレビュー執筆。
最初のレース開催からちょうど100周年を迎えた2003年のツール・ド・フランス。ドイツのチーム「チーム・テレコム(現T-モバ[茘イル)」の視点を通して、ツール個人総合優勝者に与えられる黄色いジャージモマイヨ・ジョーヌモを目指し、自己を犠牲にしながらもツールに参加する者の敗北と苦悩、そしてツールの起源、歴史、巨大なレースの運営組織、道端やTVの前で応援するファンにもスポットを当て、レースの真実と自転車に乗る一人の人間を描き出す。
監督・監督:ペペ・ダンカート
出演:エリック・ツァベル、ロルフ・アルダグ、アンドレアス・クローデン、 アレクサンダー・ヴィノクロフ、スティーヴ・ザンピエリ、 マリオ・クメール、"オイレ"ディータ_・ルーゼンベルグ、 セルジュ・ラゲット、ランス・アームストロング、ヤン・ウルリッヒ 他
原題:HELL ON WHEELS
2004/ドイツ/123分/VIDEO/1:1.85/ドルビー・デジタル・サラウンド
1975年生まれ。静岡県出身。
スキル・シマノ・レーシングチーム所属。
2001年、イタリアのコルパックチームよりジロデイタリア出場
2002年、ジロデイタリア完走を果たす。
2005年、全日本自転車競技選手権ロード優勝。全日本チャンピオンに。
また、3DAY熊野個人総合優勝などの戦績を挙げる。
http://cycle.shimano.co.jp/publish/content/cycle/sic
/jp/ja/shimano_racing/1.html
1963年生まれ、大阪在住。
お笑い歌手であり、レースやツーリングをこよなく愛するサイクリスト。そしてなにより、自他共に認める「親バカ自転車野郎」である。子どもたちの未来と地球環境のために、日本中の道路を自転車道にしようと目論む。月刊サイクルスポーツにて、「ブラッキーの親バカ相談室」好評連載中。
ブログ:「Blacky 超本格的親バカ派で行こう!」
<http://www.voiceblog.jp/blacky/>
京都の自転車ツーキニスト。自転車ブログ「Power's Cycle Diary(http://www.powerscyclediary.com/)」に参加。たまに「Cafe OPAL(http://www.cafeopal.com/)」にてレビュー執筆。
http://www.ballroomrecord.com
1966年生まれ。80年代からバンド活動、90年代からはDJ活動を関西を中心に行う。同時に「レコードやくざ」の名で執筆業も。1998年、京都にてレコードショップ「JET SET」を開業。2003年、同社の代表権を譲渡。現在吉祥寺にてレコードショップ「BALLROOM RECORD」およびオンラインショップ「WWW.BALLROOMRECORD.COM」を経営。共著書に『DISC ナウ VS レコードやくざ』がある。
http://www.akiramizumoto.com/
1969年生まれ。テキスト、グラフィック、音楽、映像、写真などを多角的に扱うエディターとして、単行本やプレスキットの編集、ライナーノーツ、レビュー、映画パンフレットへの寄稿、雑誌連載などのほか、PVのディレクション、TV番組『rock the roots』『music roots』の司会と監修も手がける。またDJ/ミュージシャン/サウンドプロデューサーとしても活動、YMO、キリンジ、シンバルズなどのリミックスを手がける。2002年にはソロアルバム「A.M.」を発表。2006年秋に新作アルバムを発表予定。
サン・ラー(1914-1993年)が金のマスクを被り、謎めいた衣装でカメラの前に立つ。ファラオの一部として、この世と別の崇高な世をつなぐ架け橋となるため、アウタースペースに飛び立つと語る伝道師サン・ラー。その発言、音楽表現、衣装、存在感、どれをとっても他に似ている音楽家が見当たらない。スウィングとバップを実験的に融合させたジャズは彼の死後もなファンを増やし続けている。豊富なライブ映像、インタビュー、サン・ラーの宇宙的哲学のメッセージが満載の傑作音楽ドキュメンタリー!サン・ラーの神秘への入口がここにある。