2007(後期~)

2007.07.28(Sat)
  • Open/15:30 Start/16:00 Close/20:00
  • メトロ大學:夏期講習
    『辺見庸 講演会』 
    「言葉と死ーあらがうために」
  • メトロ大學
  • 出演:辺見庸 (講演)
    Live:薄花葉っぱ (唄と演奏)
社会のあらゆる領域がまるでファシズムのような支配に巻き込まれ、そして国外では途方もない数の人びとが殺されてゆく、この戦争の時代に抗う手がかりはどこにあるのでしょうか。「いま」を支配する者たちに根底から否をつきつけ、商品化されて骨抜きにされるばかりの言葉を批判しぬく根拠とは。状況と人間存在への根源的な発言で知られる辺見さんが、「クラブメトロ」で待望の講演会を行います。詩的な輝きと哲学的な深みをたたえた、その稀有な言葉から辺見さんの戦いの原点がイメージ豊かに語られると思います。ぜひともこの機会を分かち合いましょう。

  • 辺見庸

    http://hemmi.info/

    1944年宮城県石巻市生まれ。早稲田大学文学部卒業。70年、共同通信社入社。北京特派員、ハノイ支局長、編集委員などを経て、96年退社。この間、78年、中国報道で日本新聞協会賞、91年、小説『自動起床装置』で芥川賞、94年、『もの食う人びと』で講談社ノンフィクション賞を受賞。他の著書に、『赤い橋の下のぬるい水』、『ゆで卵』、『眼の探索』、『夜と女と毛沢東』(吉本隆明との対談)、『反定義』(坂本龍一との対談)、『新・私たちはどのような時代に生きているのか』(高橋哲哉との対談)、『永遠の不服従のために』、『抵抗論』、『自分自身への審問』、『いまここに在ることの恥』、『記憶と沈黙――辺見庸コレクション1』など多数ある。




2007.07.31(Tue)
  • 18:30 会場 19:00 開演 21:00 前後終演予定
  • 『メトロ大學:夏期講習』2時限目 
    『クラブ・浪曲 Vol.2』
    ~浪曲はクラブ・カルチャーのルーツの一端だ!~
  • 浪曲
  • 出演:「新宣組」
    are...浪曲師『幸いってん』『菊地まどか』『春野恵子』
        +曲師『一風亭初月』『沢村さくら』
前回、世界初の試みとしてスタートしたメトロ大學『クラブ・浪曲』が各方面での予想を遥かに超える反響につき、待望の第二弾決定!明治時代初期から始まった演芸の一つ「浪曲」(ろうきょく)三味線を伴奏に用いて物語を語る、それはまさに、一人ミュージカル、和製オペラ…であり、さらには、ラップであり、ソウルであり、レゲエ のラバダブ・スタイルと言った、現代のクラブ・カルチャーを形成する シーンの日本版ルーツだとも言えます。そう、音楽と共に言葉をリズミカルに操り、人の心を揺さぶるこうした 伝統芸能は、現在様々なスタイルとして進化するクラブ・カルチャーに 通ずるモノを本日の浪曲のライブで感じていただけることでしょう。この「浪曲」文化は、明治初期に大阪の芸人が新しく売り出した芸が大うけして生まれたと言われてます。そして、戦前まで全盛を迎えたが、後は娯楽の多様化で衰退し、現在では浪曲の定席の寄席は、東京都浅草 の「木馬亭」と大阪府の「一心寺門前浪曲寄席」が運営するのみとなっ ています。そんな中、浪曲なんて全然聞いた事の無い方々にも、浪曲の楽しさを 知ってもらおうと、30代の若手浪曲師と曲師が結束し、'07年 にスタートさせた『新宣組』!浪曲を日本のオーセンティック なクラブ・カルチャーとしてメトロ大學が自信をもってお送りするとしてリアル浪曲を是非!

  • 幸いってん

    1999年3月二代目京山幸枝若に入門。
    同年12月に難波の「ワッハ上方」にてデビュー披露公演を行う。
    その翌年より、NHK・ABC・MBSJOCR等、TV・ラジオの各局にて浪曲公演・番組ゲスト等、多数出演。夏場には「浪曲河内音頭」で盆踊りの櫓にも多数出演。浪曲は勿論、河内音頭・歌謡曲と幅広く色々な分野にも挑戦。
    所属事務所:京山芸能企画・(社)浪曲親友会


  • 菊池まどか

    <http//www.geocities.jp/kikuti_madoka/>

    平成8年 河内音頭を櫓に舞台にと歌い始める
    平成13年 成世昌平師の甲会に入門、名取となる
          富山テレビ「サンザワールド民謡大会」優勝
    平成14年 「西近畿民謡連合大会」優勝・和歌山県知事賞 受賞
           三経新聞社 総合優勝
    平成15年 京山小圓嬢師に弟子入り
    平成16年 「三経民謡大賞」優秀賞
    平成17年 2月12日 浪曲師としてデビュー
    平成18年 
      1月16日 「文化庁芸術祭新人賞」受賞
      3月26日  文化庁芸術祭新人賞受賞祝賀会 太閤園にて
      3月28日 「大阪舞台芸術新人賞」受賞
      4月15日 小泉首相主宰「観桜会」に招待される
      5月14日 菊池まどかデビュー披露記念公演 ワッハ上方にて
      9月22日 NHKテレビ番組「ぐるっと関西おひるまえ」内で 「大型新人あらわる」とミニドキュメンタリー放映される
      10月4日 NHKテレビ「上方演芸」演目 村松三太夫で放映
      「JAL名人会」11月中 国内線 11月・12月 国際線で上演
    平成19年 2月17日 大阪市「咲くやこの花賞」受賞


  • 春野恵子

    <http://blog.goo.ne.jp/keiko-haruno/>

    大学卒業後、出版社勤務を経て、日本テレビのバラエティ番組『進ぬ!電波少年』でデビュー。その後フジテレビ「救急病棟24時」や「スタァの恋」といったドラマやTBS「リアルタイム」の司会などで女優・タレントとして幅広く活動。また受験指南や相撲についてなど幅広いテーマで新聞・雑誌での執筆活動も行う。1年ほど芸能活動を行うが、平成14年より落語や講談といった演芸にはまり、寄席やホールに通う日々を送り、演芸の世界への憧れを強めていく。
    平成15年5月に浪曲師になることを決意。いったん芸能活動から引退、平成15年7月に関西浪曲界の大御所2代目春野百合子師匠に弟子入り。平成18年3月に初舞台、「出世太閤記~秋風矢矧の橋」を披露した。

    < TV>『救命病棟24時』『スタアの恋』『リアルタイム』『進ぬ!電波少年』『暴れん坊将軍』等
    <CM>ハウス「豆腐グラタン」,小学館家庭教師 『Dash』,FT資生堂 『薬用ホワイトアップ』 他
    <著書>『受験坂本屁の河童』(日本テレビ出版),『ケイコ先生の合格のルール』(朝日出版社)


  • 一風亭初月

    約20年前友人に誘われて、浪曲の寄席に通ったのがきっかけで浪曲のファンになりしだいに三味線の音色にひかれ弾いて見たいと思うようになり、師匠である藤信初子に頼み込み弟子入りする。1998年10月藤信初子に弟子入り翌年いってんさんの舞台でデビュー。2000年よりテレビ(おはよう浪曲)やラジオ(おはよう浪曲)、やインターネットラジオなどで活躍中


  • 沢村さくら

    2000年3月に、曲師・沢村豊子に弟子入り。同年11月に初舞台。
    その後曲師として東京で活躍するが、大阪に住まいを移し、
    2006年12月の一心寺公演が大阪での初舞台となる。




2007.08.09(Thu)
  • 5:30pm 開場 6:00pm 上映開始 → 8:50pm 終映予定
  • 『メトロ大學:夏期講習』3時限目
    ドキュメンタリー映画上映     
    映画『チョムスキーとメディア』上映会
  • ドキュメンタリー映画上映
  • 映画『チョムスキーとメディア -マニュファクチャリング・コンセント-』
    監督:マーク・アクバー&ピーター・ウィントニック 
    1992年 / 167分 / カナダ映画 / 配給:シグロ
    公式HP:http://www.cine.co.jp/chomsky9.11/
マスメディアはいかにしてニュースを選別し、反対意見を小さく見せ、政府や大企業のメッセージを伝えているのか―

ロックバンドU2のボーカル、ボノが「飽くなき反抗者」と呼ぶ反骨の知識人、ノーム・チョムスキー。言語学者としても名高いチョムスキーは、政治的活動を通して、映画『チョムスキー9.11』などでも知られ「現存するもっとも重要な知識人」「アメリカの良心」と呼ばれている。今回はメトロ大學での「辺見庸氏 講演会」(7/28)の実現にあわせて、アメリカにおけるもっとも重要な「アメリカ批判者」であるチョムスキーの活動、とくにメディア批判にフォーカスしたドキュメンタリー映画『チョムスキーとメディア』を上映します。「現代の民主主義国家におけるプロパガンダは、政府による検閲や悪意による報道の歪曲ではなく、マスメディアが持つシステムそのものによってごく自然に行われている」。彼の主張は、時代そして国境を越えて、現代の日本を生きる私たちが自分の生活の主導権を取り戻すための、強靭な手がかりを与えてくれるだろう。変化をもたらす力は私たち自身の手にある。21世紀の知の巨人が誰よりも明解に語ります。

チョムスキーの勇気にはいつも敬服している。 彼のメディア批判に
触れずして、映画もインターネットもテレビも観ることは出来ない。 
              --いとうせいこう(作家・クリエーター)

テレビのニュースを見ていて、なぜか分からないけど話がしっくり
来ないと思ったことはありませんか。
あなたこそ、この映画を観るべきです。 
            --ピーター・バラカン(ブロードキャスター)

権力と政治とメディアに関するチョムスキーの分析に一度接したら、 
ニュースを見る目が変わる。受け身ではいられなくなる。
世界市民としての自覚が強まり、勇気が湧いてくる。 
これが「チョムスキー効果」である。   
         --ジャン・ユンカーマン(『チョムスキー9.11』監督)

  • 映画『チョムスキーとメディア』

    http://www.cine.co.jp/chomsky9.11/>

    マスメディアは、政府や大企業のプロパガンダに奉仕している。

    「現代の民主主義国家におけるプロパガンダは、政府による検閲や悪意による報道の歪曲ではなく、マスメディアが持つシステムそのものによってごく自然に行われている」ーー。このノーム・チョムスキーの分析が、映画の主役である。報道の現場にいる人間さえもほとんど意識することのない構造的な問題を、チョムスキーは膨大な事例を用いて緻密に検証してみせるのだ。 映画の前半では、東ティモールとカンボジアで起きた集団虐殺についてニューヨーク・タイムズ紙がどのように報道したか比較するケーススタディに注目。新聞やテレビがいかにして社会の支配層のメッセージを一般民衆に浸透させていく役割を果たしているか、ユーモアと皮肉たっぷりにその仕組みを明らかにする。
    後半では、チョムスキーに反論する人物が次々と登場。反主流派の意見が隅に追いやられていく実態を描きつつ、オルタナティブ・メディアの具体的な成功例を紹介する。

    世界で喝采を浴びた傑作ドキュメンタリー映画、ついに待望の日本公開!

    5年がかりで製作された、この長編ドキュメンタリーは、カナダでドキュメンタリー映画の興行収入第一位を記録し、世界530の都市で商業公開された。また、ベルリン国際映画祭ほか50以上の映画祭に正式出品され、ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭グランプリを始め世界中で22の映画賞を受賞という快挙を成し遂げ、日本では待望の劇場公開となる。監督の一人、マーク・アクバーは、2005年に日本でも公開され話題を呼んだドキュメンタリー、『ザ・コーポレーション』の監督でもある。

    大切なのは自分で考え、伝えること。ひとりひとりがメディアになれる

    捏造されたメ世論モを疑い、他者との連帯を深める中で自分の価値観を身につけることによって、人々は知的に自衛できる、とチョムスキーは説く。彼の主張は、時代そして国境を越えて、現代の日本を生きる私たちが自分の生活の主導権を取り戻すための、強靭な手がかりを与えてくれるだろう。変化をもたらす力は私たち自身の手にある。この映画はそう教えてくれる。




2007.08.10(Fri)
  • 6:00pm 開場 6:30pm 開講 → 8:00pm 終講予定
  • 『メトロ大學:夏期講習』4時限目
    テーマ『グラインダーマン meets キュピキュピ 
    ~パフォーミングアート/エンタティメント横断~』
  • メトロ大學
  • 講師:タグチヒトシ(グラインダーマン)×江村耕市(キュピキュピ)
    司会:松尾惠(ヴォイスギャラリーpfs/w)
現代美術界を出発点とし、かつてのハプニングの要素を持ちつつ、匿名性を意図した装置=立方体の鉄製マスク<ゴーヘッド・パラレル>を被り、グラインダーを駆使した火花パフォーマンスなど、造型芸術・身体表現・映像・音楽を融合した斬新なパフォーマンを展開するアート集団「グラインダーマン」。片や映像+パフォーマンスユニットとして、[歌謡ショー]や美術館でのインスタレーションなどなどあらゆるメディアを横断して次々と作品を発表する「キュピキュピ」。この国内外で絶賛されるパフォーマンスアートの東西の雄より、グラインダーマンリーダー:タグチヒトシ氏とキュピキュピのメンバー江村耕市氏両氏を迎えてのメトロ大學を開催!共に現代アートをその立脚点としつつ、芸術 vs 娯楽を組み込んだ強烈な表現で、アート界からお茶の間までを巻き込む両者のそれぞれの活動を紹介しつつ、関西アートシーンの取締役、ヴォイスギャラリーpfs/wの松尾惠さんを司会進行役に、その創作の根源に迫ります!

  • タグチヒトシ

    筑波大学芸術専門学群構成専攻造形コース卒業。グラインダーマンリーダー。パフォーマンス出演にとどまらず、演出・構成から楽曲編集、デザインまでも起用にこなすプロデューサー気質。


  • グラインダーマン

    <http://grinder-man.com/>

    「己の身を削る」をコンセプトに活動するテクノパフォーマンスユニット。1997年身体に装着した鉄板をグラインダーで削るパフォーマンス「グラインダーマンのテーマ」を引っさげ「たけしの誰でもピカソ」アートバトルに出演。5週勝ち抜きの末、初代チャンピオンに輝き一躍お茶の間で有名に。日本のみならず世界各国で、シアターや美術館でのパフォーマンス公演から、クラブでのイベント出演、Tシャツデザイン、映像製作とボーダレスに展開。現在8月~9月の2ヶ月間にわたり、大阪北加賀屋にある名村造船所跡地にて滞在し、新作パフォーマンス『MUSTANG』を制作中。


  • 江村耕市

    <http://www2.odn.ne.jp/emura-kijyo/>

    京都市立芸術大学美術学部デザイン科卒業。専門領域はグラフィック・ドローイング・アニメーション・映像などビジュアルコミュニケーション全般。映像+パフォーマンスユニット「キュピキュピ」メンバー(主にビジュアルデザインを担当)。映像コンテンツ「オー!マイキー」グラフィックデザイン担当。京都嵯峨芸術大学メディアデザイン学科准教授。


  • キュピキュピ

    <http://kyupikyupi.com/>

    1996年結成。石橋義正(ディレクション)、木村真束(立体造形)、分島麻実(歌手)と江村の4人により構成。映像とパフォーマンスを中心に活動するアーティストユニット。映像作品は世界中のさまざまな美術館で上映・展示され高い評価を得る。京都のカフェではじまったライブパフォーマンス「歌謡ショー」はパリ・ロンドンでの公演を経て、2003年京都・2004年東京の2度のロングラン公演「キャバロチカ」に発展し、多いに盛り上がる。現在、新たなパフォーマンスの展開を模索中。


  • 松尾惠(ヴォイスギャラリーpfs/w)

    <http://www.voicegallery.org/>

    京都市立芸術大学美術学部卒業。1986年にヴォイスギャラリー開設(2005年ヴォイスギャラリーpfs/wと改称)。自身のギャラリーにおいて現代美術の紹介、ギャラリー外でも展覧会やさまざまなプロジェクトに関わり、パフォーマンスやクラブイベントなど舞台系の制作(+出演)も経験。名村造船所跡地におけるNAMURA ART MEETING'04-'34の実行委員。




2007.08.24(Fri)
  • Open/19:00 Start/19:30 Close/21:30
  • 『メトロ大學:夏期講習』
    講師&パフォーマンス:鈴木昭男(サウンドアーティスト) 
    ゲスト:内橋和久(音楽家) 
    テーマ『傍らにおきたい音楽は?』
  • メトロ大學
  • 講師&パフォーマンス:鈴木昭男(サウンドアーティスト) 
    ゲスト:内橋和久(音楽家)
    司会:東瀬戸悟

    7:00pm 開場 
    7:30pm 対談:鈴木昭男×内橋和久(60min)
         司会:東瀬戸悟
    8:30pm パフォーマンス:鈴木昭男(60min)
         ゲスト:内橋和久
    9:30pm 終講予定
1960年代から開始した音による先駆的なイベントやインスタレーション、代表的な作品の一つである音具「アナラポス」を用いた音響パフォーマンスを国の内外で行い、日本のサウンド・インスタレーションのパイオニアとして美術/音楽の枠さえも越えた最重要アーティスト、鈴木昭男。デヴィッド・トゥープから、ジム・オルーク、EYE等、多くのアーティストからリスペクトされ、今年4月、京都国立近代美術館「ノイズレス展」では夜間のみ、10日あまりの展覧会にもかかわらずの3000人以上もの観客を動員し注目を集めた。今回はそんな世界的サウンドアーティスト鈴木昭男氏による待望の新作CD『k7 box』発表を記念してのメトロ大學が実現!ゲストに世界的に活躍する最先端音楽家"内橋和久氏"を迎えて、「聴く」という感覚を深い洞察と斬新な言葉で辿ります。更に、伝説的とも言える鈴木昭男氏自らのパフォーマンスが実現!ゲストの内橋和久氏とのコラボレーションという奇跡的な顔合わせも予定されている。
  「聴く」という行為、「音/音楽」そのものの原点への問いかけ、その思考と実践が到達した「聴き方」の新たな地平。耳を傾けて下さい。きっとあなたも未聴音感を体験する事でしょう。

尚、当日は鈴木昭男氏、待望の新作CD『k7 BOX(カセット・ボックス』(9月7日発売)を会場内にて特別先行発売!

<ライナーノーツより>
限りなく物音に近い音楽、そう呼んでもいいだろうか?
                       -----谷川俊太郎(詩人)
どういう訳か鈴木昭男のこの単純な音がいつまでも新鮮に感じる。
                 -----デヴィッド・トゥープ(音楽家)
水たまりやなんかで、小さい頃やった遊びをいろいろ思い出した。
                         -----EYE(音楽家)
彼はどんなものからも音楽を見い出す事ができる。
                    -----ジム・オルーク(音楽家)
鈴木昭男の音は清冽で、劇的で、孤独だ。
                -----中川真(大阪市立大学大学院教授)

  • 鈴木昭男

    <http://www.akiosuzuki.com/>
    鈴木昭男は、サウンド・ア-トの先駆者的存在として知られるが、その活動・作品形態はおよそ一般的なサウンド・アートの範疇にとどまるものではない。「音と場の探求者」として多くの分野の芸術家達から注目されている。1963年、名古屋駅ホームの“階段にバケツ一杯のガラクタをぶちまける”というパフォ-マンスを発端として、自然に「なげかけ」、音を「たどる」自修イベントを始める。70年代には合わせ鏡の構造を持つ「ANALAPOS」というエコ-楽器を創作する。さらにこの楽器の延長線上となる「ひなたぼっこの空間(1988)」では、同じ構造の二面の巨大な壁を造築し、この空間で一日自然の音に耳を澄ますという試みを行なった。ここでまた新たな『聴き方』を発見することになる…観念的には空間に閉じ込められた音は、地球を一周することになるのだ…。

    また70年代後半から80年代にかけてコンセプチャル・サウンドワ-クと称されるパフォ-マンスを展開。彼自身が取り決めた単純で厳格なル-ルに基づき、身近な素材を使って“知的な遊び”を繰り広げる。無意味な即興演奏に対する批判という側面を持ちつつも、常に『聴く』側にまわることを意識して、場との関わり方を模索していく。この頃より欧米へ頻繁に行き来するようになり、秋の芸術祭(パリ・1978)、ドクメンタ8(カッセル・1987)など主要な音楽際に招聘され、高く評価される。

    90年代に入りサウンド・ア-ト界の隆盛に伴い、ベルリンを中心として数多くのインスタレ-ションを手掛ける。特筆すべきはベルリン/パリ/ストラスブ-ルでの街のエコ-ポイントを探る「点音[おとだて](1996)」、ザ-ルブッルッケンの市立ギャラリーで発表した「花(1997)」、人は音を発掘すると題された「pyramid(1999)」など、無音のサウンド・インスタレ-ションを発表したことだ。これら無音の作品群は、過去の認識論としての音楽を問うたものではなく、音楽の所在そのものにまで踏み込んだものである。作品との遭遇によって喚起された体験者自身の過去の経験や記憶が、新たな経験として再構築されることが、作品を『聴く』という根源的部分にまで到達しているのである。

    また近年、ベルリンのdaad画廊で発表した「tubridge(1999-2000)」での体験は、彼のその後の作品に新たな展開を与えることになった。自らが音源を録音・作成し、独自に考案した出力装置を持つ電気音響を取り入れることにより、音を再構築し“場の因子”を『聴く』実験が実現した。ベルリンSFB放送局ホワイエでの音のドロ-イング「Mowe(2002)」、場の構築に対する一つの提言を含む「なげかけ&たどり(2002)」である。訪れた人は、降り積もる空間としての時間軸である作者設定の「場」を体験することになる。

    これと平行して、2002年ロンドンのブルネイ・ギャラリ-・レクチャ-・シアタ-で始めたシリ-ズ「もがり」では、彼の家系に古代より伝えられる自然石そのままの“sa?tone-flute(磐笛)”の吹奏を主軸に、その時々の空間や場をとらえ、予測不能の圧倒的パフォ-マンスで、音楽を通じての自身の帰結を探っている。


  • 内橋和久

    <http://homepage.mac.com/innocentrecords/>
    1959年生まれ。ギター、ダクソフォン奏者、作曲家。現在、東京、大阪、ウィーンをベースに活動。種々のエフェクツを駆使し、ソロやセッションでは多様でリリシズムに満ちた創意あふれる演奏を、独自のユニットではパワーと独創性に満ちたギタープレイを、楽器と即興の可能 性を無限大に拡げ続けるその活躍は必見に値する。最近は表現空間を重視したプロジェクト 「POOL」at 大阪BRIDGE-2004~2007年, 「PATH」at 山口情報芸術センター-2005年等)にも 意欲的に取り組む。あらゆるジャンルを往来し、音楽と共演可能な表現活動とは殆ど共演を経験。音楽監督として参加する「維新派」とは、20年近くに渡り活動をともにしている。ユニットとしては、今年で18年になる「アルタードステイツ」があるが、UAをはじめとした、個性的な歌手達とのコラボレーションが話題を呼んでいる。最近では細野晴臣のレコーディングにも参加。近年はハンスライヒェル氏の発明による新楽器ダクソフォンの日本唯一の演奏者としても活動が知られている。




2007.10.18(Thu)
  • 18:30 会場 19:00 開演 21:00 前後終演予定 
  • 『クラブ・浪曲 Vol.3』
    ~浪曲はクラブ・カルチャーのルーツの一端だ!~
  • 浪曲
  • 出演:「新宣組」
    are...浪曲師『幸いってん』『菊地まどか』『春野恵子』
        +曲師『一風亭初月』『沢村さくら』
今年5月より 、世界初の試みとしてスタートしたメトロ大學『クラブ・浪曲』、噂が噂を呼び、各方面から「ハマりました!」との反響続出!という事で、早くも第3弾が決定!明治時代初期から始まった演芸の一つ「浪曲」(ろうきょく)三味線を伴奏に用いて物語を語る、それはまさに、一人ミュージカル、和製オペラ…であり、さらには、ラップであり、ソウルであり、レゲエ のラバダブ・スタイルと言った、現代のクラブ・カルチャーを形成する シーンの日本版ルーツだとも言えます。そう、音楽と共に言葉をリズミカルに操り、人の心を揺さぶるこうした 伝統芸能は、現在様々なスタイルとして進化するクラブ・カルチャーに 通ずるモノを本日の浪曲のライブで感じていただけることでしょう。この「浪曲」文化は、明治初期に大阪の芸人が新しく売り出した芸が大うけして生まれたと言われてます。そして、戦前まで全盛を迎えたが、後は娯楽の多様化で衰退し、現在では浪曲の定席の寄席は、東京都浅草 の「木馬亭」と大阪府の「一心寺門前浪曲寄席」が運営するのみとなっ ています。そんな中、浪曲なんて全然聞いた事の無い方々にも、浪曲の楽しさを 知ってもらおうと、30代の若手浪曲師と曲師が結束し、'07年 にスタートさせた『新宣組』!浪曲を日本のオーセンティック なクラブ・カルチャーとしてメトロ大學が自信をもってお送りするとしてリアル浪曲を是非!

  • 幸いってん

    1999年3月二代目京山幸枝若に入門。
    同年12月に難波の「ワッハ上方」にてデビュー披露公演を行う。
    その翌年より、NHK・ABC・MBSJOCR等、TV・ラジオの各局にて浪曲公演・番組ゲスト等、多数出演。夏場には「浪曲河内音頭」で盆踊りの櫓にも多数出演。浪曲は勿論、河内音頭・歌謡曲と幅広く色々な分野にも挑戦。
    所属事務所:京山芸能企画・(社)浪曲親友会


  • 菊池まどか

    <http//www.geocities.jp/kikuti_madoka/>

    平成8年 河内音頭を櫓に舞台にと歌い始める
    平成13年 成世昌平師の甲会に入門、名取となる
          富山テレビ「サンザワールド民謡大会」優勝
    平成14年 「西近畿民謡連合大会」優勝・和歌山県知事賞 受賞
           三経新聞社 総合優勝
    平成15年 京山小圓嬢師に弟子入り
    平成16年 「三経民謡大賞」優秀賞
    平成17年 2月12日 浪曲師としてデビュー
    平成18年 
      1月16日 「文化庁芸術祭新人賞」受賞
      3月26日  文化庁芸術祭新人賞受賞祝賀会 太閤園にて
      3月28日 「大阪舞台芸術新人賞」受賞
      4月15日 小泉首相主宰「観桜会」に招待される
      5月14日 菊池まどかデビュー披露記念公演 ワッハ上方にて
      9月22日 NHKテレビ番組「ぐるっと関西おひるまえ」内で 「大型新人あらわる」とミニドキュメンタリー放映される
      10月4日 NHKテレビ「上方演芸」演目 村松三太夫で放映
      「JAL名人会」11月中 国内線 11月・12月 国際線で上演
    平成19年 2月17日 大阪市「咲くやこの花賞」受賞


  • 春野恵子

    <http://blog.goo.ne.jp/keiko-haruno/>

    大学卒業後、出版社勤務を経て、日本テレビのバラエティ番組『進ぬ!電波少年』でデビュー。その後フジテレビ「救急病棟24時」や「スタァの恋」といったドラマやTBS「リアルタイム」の司会などで女優・タレントとして幅広く活動。また受験指南や相撲についてなど幅広いテーマで新聞・雑誌での執筆活動も行う。1年ほど芸能活動を行うが、平成14年より落語や講談といった演芸にはまり、寄席やホールに通う日々を送り、演芸の世界への憧れを強めていく。
    平成15年5月に浪曲師になることを決意。いったん芸能活動から引退、平成15年7月に関西浪曲界の大御所2代目春野百合子師匠に弟子入り。平成18年3月に初舞台、「出世太閤記~秋風矢矧の橋」を披露した。

    < TV>『救命病棟24時』『スタアの恋』『リアルタイム』『進ぬ!電波少年』『暴れん坊将軍』等
    <CM>ハウス「豆腐グラタン」,小学館家庭教師 『Dash』,FT資生堂 『薬用ホワイトアップ』 他
    <著書>『受験坂本屁の河童』(日本テレビ出版),『ケイコ先生の合格のルール』(朝日出版社)


  • 一風亭初月

    約20年前友人に誘われて、浪曲の寄席に通ったのがきっかけで浪曲のファンになりしだいに三味線の音色にひかれ弾いて見たいと思うようになり、師匠である藤信初子に頼み込み弟子入りする。1998年10月藤信初子に弟子入り翌年いってんさんの舞台でデビュー。2000年よりテレビ(おはよう浪曲)やラジオ(おはよう浪曲)、やインターネットラジオなどで活躍中


  • 沢村さくら

    2000年3月に、曲師・沢村豊子に弟子入り。同年11月に初舞台。
    その後曲師として東京で活躍するが、大阪に住まいを移し、
    2006年12月の一心寺公演が大阪での初舞台となる。




2007.11.17(Sat)
  • Open/17:30 Start/18:00 Close/20:00
  • 『メトロ大學』 -ジプシー音楽を巡る旅 第4夜-
    講師:関口義人(『ジプシー・ミュージックの真実』著者)
    ゲスト:伊東信宏(大阪大学文化研究科助教授)
    テーマ『ブルガリアのジプシー』
  • メトロ大學
  • 講師:関口義人(『ジプシー・ミュージックの真実』著者)
    ゲスト:伊東信宏(大阪大学文化研究科助教授)
『ジプシー・ミュージックの真実』著者にして音楽評論家・関口義人さんがホストとなって、世界の"ジプシー"の音楽と暮らしを映像と写真とで追いかける人気シリーズもいよいよ第4弾!今回の旅先は「ブルガリア」!ゲストに東欧民族音楽の研究者であり、音楽学者でもある伊東信宏さんをお迎えして、ブルガリアの"ジプシー"の文化の実態に迫った記録を音楽と映像で追っていきます!

  • 関口義人

    明治大学卒。商社勤務でヨーロッパ駐在。帰国後、音楽評論と並行してジプシー研究。ジプシーミュージックの研究家の第一人者として多くの評論、講演、著作を手掛ける。著書「ジプシー・ミュージックの真実」(青土社)「ブラスの快楽」(音楽之友社)など。早稲田大学非常勤講師。桜美林大学非常勤講師。


  • 伊東信宏

    1960年京都市生まれ。大阪大学文学部、同大学院を経て、リスト音楽院(ハンガリー)などに留学。大阪教育大学助教授を経て、現在、大阪大学大学院文学研究科准教授。専門は、中東欧の音楽史、民俗音楽。著書に『バルトーク』(中公新書)、『ハイドンのエステルハージ・ソナタを読む』(春秋社)、編著に『ピアノはいつピアノになったか?』(大阪大学出版会)など。1990年代より、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリアなどの村でロマに取材してきた。