<http://www.richard-pinhas.com>
フランスのエキスペリメンタルな音楽界において巨大な存在として目されるギタリスト兼作曲家のリシャ―ル・ピナスは、その40年近いキャリアを通じて革新的な存在であり続け、ロック・ミュージックにおけるエレクトロニクスの導入と発展という点では世界的基準で見ても極めて重要なものである。70年代のフランスのシーンにおけるピナスの存在は、ドイツのシーンにおけるタンジェリン・ドリームのそれと同じく、新たな音楽ムーヴメントを一から作り上げた始祖といえるものである。ピナス率いるバンド、エルドンの音楽はエレクトロニクスと暴力的なギター奏法をロックの文脈で組み合わせ、強く影響を受けたキング・クリムゾンのさらに先を行くと共、に後のインダストリアルやテクノの出現を予見させるものですらあった。エルドンの音楽性は今なお新鮮で衝撃的であり続けており、それゆえに世界各国にて若い世代に"再発見"され続けると共に多大な影響力を発揮し続けている。
ピナスは'74年から'79年の間にエルドンで7枚のアルバムと'76年から'82年の間に5枚のソロ・アルバムを発表した後、一旦音楽の世界を離れ、もともと学んでいた哲学の世界に戻りニーチェ、そして親交の深かったドゥルーズについての著書など学問に専念する。
'92年にようやく音楽に立ち戻ったピナスはアルバム「DWW」を発表。以降継続的にソロ作品を発表するほか、エルドンの再結成アルバム「Only Chaos is Real」、さらにはパスカル・コムラード、ペーター・フロマーダー、ノエル・アクショーテ、メルツバウ、吉田達也などと多数のコラボレーション作品も制作するなど'70年代にも増して精力的な活動を続ける。また、数回の来日公演を果たしており、近年には吉田達也などと共にエルドン時代の代表曲"Stand By"を再演したことも記憶に新しい。
フランス・ミニマル/アヴァン・ギャルド・ミュージックの鬼才で、作家でもあるリシャール・ピナスは、ドゥルーズのもとで哲学を学び、フランス屈指のアヴァン・ロック・グループ、スキゾ、エルドンの創設者。ロバート・フルップやブライアン・イーノなどの影響を受けながらも、非常に独創的な音楽スタイルを生み出す。彼の音楽作りのアプローチは、常に哲学や文学、とりわけSFの領域と密接に結び付いている。
1958年、兵庫県生まれ。80年代後半よりBoredomsにギターリストとして参加。並行してリーダーバンド、想い出波止場や羅針盤を結成。90年代には、電動歯、赤武士、ザ・ハッピー・カウボーイズといったBoredomsのメンバーとの別プロジェクトや、Novo Tono、Rovo、Ya-To-I、Mostといったバンドに参加しギターリストやコンポーザーとして中心的な役割を担う。その後もTEEM、Para、カオス・ジョッキーなどのプロジェクトを次々と始動。加えて、国内外のミュージシャンとの様々なコラボレーション、さらには映画音楽やソロを含め、多彩な音楽フィールドで活動。ミニコミやライナーノーツ、音楽誌、文芸誌への寄稿も多く、94年からギターマガジン誌に連載していたエッセイ『ギタバリョー』などを収めた単行本『ギンガ』を99年に出版。また、自身のCDジャケットのデザインやイラストも手掛ける。
<http://www5e.biglobe.ne.jp/~ruins/jpn/>
岩手県立岩谷堂高等学校時代、吹奏楽部でドラムを始める。おもにプログレッシヴ・ロック・バンドに影響を受け、1980年代初期から、東京都内のライブハウスを拠点に本格的な音楽活動を開始。1985年に「ルインズ」を結成。1990年代には海外ツアーを始めるとともに、ルインズ以外に「高円寺百景」、「大陸男対山脈女」、「是巨人」、「赤天」、「ズビズバ」等、つぎつぎと違うコンセプト・音楽性に基づくユニットを立ち上げ、レパートリーの大方を手がける。以降現在まで様々なアーティストとの共演や自身のバンドにおいて、プログレッシヴ・ロックやジャズロック、即興演奏の分野で活動を続ける。国内のみならず海外でもコラボレーションなどで精力的にライヴを行っており、セッションでの参加を含めて多岐にわたる作品を様々なレーベルから発表している。国内外のミュージシャンとの共演も多く、近年では菊地雅章、藤井郷子、林栄一など、ジャズ・ミュージシャンともセッションを行うほか、Samla Mammas Manna、ACID MOTHERS GONG(Acid Mothers Templeとゴングの合体バンド)、ペインキラーといった日本国外のバンドのメンバーでもある。音楽活動のかたわら石仏や石像など、石の写真を撮り続ける写真家でもあり、その趣味は結成するバンド名やレーベル名(「磨崖仏」「ルインズ」「石窟寺院」など)、特徴的な作品のジャケットにも現れている。
ポスト・テクノ〜音響シーンをリードする電子音楽レーベルの最高峰にして、常に進化し続けるドイツの[Raster-Noton(ラスター・ノートン)]が、レーベル設立20周年を記念したジャパンツアーを開催!!
ミクロ・レベルにまで微小化された非楽音による音の感知が、テクノ、音響派から心あるノイズ・ファンまでに衝撃を与え、芸術と自然科学を融合させるサウンド・アートの第一人者として最先端を疾走するAlva Notoことカールステン・ニコライとByetoneことオラフ・ベンダーを中心に、アートとサウンド、異なるふたつの領域を横断しながら、mika vainio (pan sonic)や池田亮司、坂本龍一など、最もアドヴァンスト=先端的な音楽表現をリリースし続け、20年を経た今も実験/電子音楽の最高峰としてそびえ立つ[Raster-Noton]のショーケースイベント、今回もレーベル・ツートップであるAlva NotoとByetone、To Rococo Rotのメンバーでありベルリンで最も影響力のあるアーティストの一人Robert Lipokk、そして中毒性の高いミニマルな世界観で魅了するフランス人音響詩人Anne-James Chatonの4名に加え、京都公演にはロシア人女性アーティストDasha RushがDJとして急遽出演決定しました!!Alva NotoとByetoneは日本初披露なるライブセットを行ないます!極限までに浄化されたミニマリズム、透徹した芸術性と、トポジカルなデジタルファンク、インタラクティヴなヴィジアルが精緻に融合し、究極の美の空間を創りあげる「Raster-Notonの20年」、あなたの聴覚、視覚、そして知覚の扉を開きます!
本名カールステン・ニコライ。1965年、旧東ドイツのカールマルクスシュタット生まれ。ベルリンを拠点にワールドワイドな活動を行うサウンド/ビジュアル・アーティスト。音楽、アート、科学をハイブリッドした作品で、エレクトロニック・ミュージックからメディア・アートまで多彩な領域を横断する独自のポジションを確立し、国際的に非常に高い評価を得ている。彼のサウンド・アーティストとしての名義がアルヴァ・ノトである。ソロ活動の他、Pan Sonic、池田亮司とのcyclo.、ブリクサ・バーゲルトなど注目すべきアーティストたちとのコラボレーションを行い、その中でも、坂本龍一とのコラボレーション3部作『Vrioon』『Insen』『Revep』により、ここ日本でも一躍その名を広めた。2016年には映画『レヴェナント:蘇りし者』(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督)の音楽を坂本龍一、ブライス・デスナーと共同作曲し、ゴールデン・グローブ賞やBAFTAなどにノミネート。また、実験電子音楽レーベルの最高峰と評される<Raster-Noton>をオラフ・ベンダー(Byetone)と共に主宰する。
オラフ・ベンダーのソロプロジェクト。1988年、東ドイツのアンダーグランドバンドAG Geigeのメンバーとして音楽活動を開始。ベルリンの壁崩壊後、ベンダーは音楽ディストリビューション会社で働き、その後、その経験を生かして1996年にフランク・ブレットシュナイダーとカールステン・ニコライと共に音楽レーベル<Raster-Noton>を設立。ベンダー、ブレットシュナイダー、ニコライはSignalとしても今日まで活動を共にしている。既存の概念に反抗するようなエネルギーが詰まったロックなアティチュードによるミニマルなリズムを基調としたサウンドを特徴とする。2011年にリリースした2ndアルバム『SYMETA』はその年の様々なメディアのレコード・オブ・イヤーに選出された。ソロ作品の他、ModeselektorやVCMGのリミックス、Rick Owens、Nina Ricci、NikeLabなどのファッションデザイナーのための音楽も手掛けている。また、カールステン・ニコライとのデュオDiamond Versionとして、2013年Mute RecordsよりEPシリーズおよびフル・アルバムをリリースした。
1966年、ベルリン生まれ。ミュージシャン、ヴィジュアル・アーティスト、舞台美術デザイナーとして様々な活動を行なう。90年代にステファン・シュナイダー(Kreidler)とロバートとロナルドのリポック兄弟の3人によるTo Rococo Rotを結成し、ポスト・ロックとエレクトロニカを軸に、実験的なミニマリズム・サウンドをベースにしながらも、躍動感溢れるサウンドを実現。その後のソロ活動における彼のアプローチは、シンプリシティというスタイルに集約され、そのメロディラインと音の造形においては、限りなくミニマルに、限りなく純粋に整えられ、そうして洗練された様々な曲のコンポーネントが具現化されている。2001年に発表した『Open Close Open』はFACTが選ぶ<Raster-Noton>のベスト20の1枚に選出され、2000年代ミニマル・ミュージックの代表作と評されている。2012年、同レーベルより最新ソロ作『REDSUPERSTRUCTURE』を発表。
フランスの音響詩人。レシート、フライヤー、名刺、バスや電車の切符など、現代社会の日常生活で手にするあらゆる印刷物を元に、サウンド、詩、ヴィジュアル・アートなど多面的な作品を生み出す。ソロ活動以外にも、オランダのロック・グループThe Ex、イギリス人ギタリストAndy Moor、ドイツ人電子音楽家Alva Notoらとコラボレーションを行い、2012年にはAndy Moor、Alva Notoとのコラボレーション作品『Décade』を<Raster-Noton>より発表した。
ロシア生まれ。彼女自身が主宰するレーベルFullpandでのテクノ・プロデューサーとしての活動やDJとしての活動に、ヴィジュアル・アーティストやダンサーたちとの多様なコラボレーションを結合させ、非常に希有なテクノ〜エレクトロニックの実験とアンダーグランド・ミュージックのムーブメントにも通じるサウンドのミクスチャーを提示する。様々な音楽的/非音楽的なフォームや、ディープでエモーショナルかつアーティスティックな表現方法で現代ダンス・ミュージックの境界線を限界まで押し広げることを好む彼女が<Raster-Noton>より発表した最新アルバム『Sleepstep』(2015年)は、相反する要素が素晴らしく融合された彼女の作品の集大成的な内容。 パフォーマーとしての彼女のスケジュールは、ここ数年、絶え間なく続き、クラブ音楽でも称賛されている彼女は、MUTEK 2016 Mètropolisでライブアクトを披露した。